†第一章 変態は唐突に†

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「質問を変えよう。君はスパイか?」 「違う!」 それは違う。 断じて心から叫ぶ。 「そうか...では君に尋ねる。」 「...?」 「君は エミル・クラウディア という名前でここに存在しているが、本名は エイナ・クリストファー である。間違いないか?」 「...」 ばれてる...。 私の本名まで調べてるなんて... 「何にせよ、君は怪しい兵士見習いに過ぎない。牢獄へと連行する。」 「ちょっ...待っ...!」 騎士・ラウに 連れてかれるエミル。 抵抗しても強い力で引っ張られていく。  「エミル遅いな...」 廊下で待っていたゼロ。  ガチャッ とドアが開いて 騎士に連れてかれる エミルを見たゼロ。 「ちょっ...待って...」 「エミル...?」 ゼロに気付かずに エミルの姿は消えた。 「何で...何処に連れてかれていくんだ?」 続いて王子も後から出てきた。 「ライル王子、エミル、どうしたんですか?」 すぐにライル王子に訊いた。 「ゼロ・クロイツ君...だったか。彼は家族が病気だと知って、今から急いで実家へと帰る所さ。」 「え!?」 (それにしては抵抗していた様な...) 「おそらく、もう兵士には戻れないだろう...看病が大変だろうしな...。」 「...エミル...」 (一体何が起きたんだ...)
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