†第一章 変態は唐突に†

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 ここはタリス国の城の中の兵士が住まう宿舎。 普段、早朝時個室タイプのシャワー室は誰もいない筈だった。 だからいつも通り早朝にこっそり使っていたのだ。 夜、皆と一緒に入れないからだ。 だが、アクシデントが起きた。 「やっぱ朝練後はシャワーだよな。」 そんな声が聞こえた。 (ややや、やばっ!) 焦った彼はあたふたした。 「あっちぃ~。」 ドア越しに兵士の1人が 全裸で歩いていく。 そりゃそうだよ。シャワー室だもん。 (...どうしよ。一応警戒して下着は持ってるけど服が外の籠に...絶対誰か入ってるって分かったし。) 彼はとにかく 素早くタオルで水滴を拭き取り、 ゆっくりとドアを開け、 素早く服を取りに行き、 素早く個室に戻る。 そして服を着てシャワー室を去った。 (やややや、やばかった...) 落ち着いたものの、なるべく離れる為に走っていた。 角を素早く曲がってそのまま直進する筈だった。  ドカッ 「きゃっ!」 彼は何かにぶつかった。
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