†第二章 姫様は騎士である†

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 その後他国語のレッスン、教養、ダンス、etc... とにかくたくさんのレッスンをした。 「...」 終わった頃には 魂が抜けかけていた。 「エイナ、大丈夫ですか?」 自室でセツリに話し掛けられる。 「...セツリ...」 ようやく魂が戻ってきた。 「姫になるって...大変なんだね。」 「...嫌になりましたか?」 セツリが訊いてきた。 「...ライル王子が嫌。あの人は暇人なの?」 「あー...ライル王子だって暇では無いと思います。きっとエイナの為に一日お暇を御作りになられたのですよ。昨日(さくじつ)、凄い勢いで職務に没頭したと聞いております。」 「...ライル王子が?...私の為に?」 「えぇ。きっとそうです。」 「...」 エイナは少し頬が赤くなる。 「...ふふ、エイナもまんざらでは無さそうですよね。」 「なっ、何がっ!?」  ドキッ と心臓が 飛び跳ねた気がする。 「いえいえ、何でも御座いませんわ。お気になさらず。それではお休みなさいませ。」  ぺこ と御辞儀をして 出ていくセツリ。 「...」 エイナもまんざらでは無さそうですよね。 (...あってはならない。そんな事...だって...私は...) エイナは無表情で ずっと外を眺めていた。
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