†第一章 変態は唐突に†

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「痛たた...」 「御免、大丈夫かい?」 「こっちこそ御免なさ...」 誰にぶつかったんだろう? と思って確認した時、 彼は固まった。 「ん?どうした?俺の顔に何かついてる?」 ぶつかった相手は、このタリス国第一王子・ライル王子だった。 「も、申し訳ありません!」 素早く立ち上がり、頭を下げる。 「気にしなくていいよ。兵士君。だいじょぶだし♪」  にっこり と笑って ライル王子は言った。 「...」 兵士の服装してたから 分かったのか... そんな事を思っていると 王子が話し掛けてきた。 「それより きゃっ なんて言うから女の子かと思った。髪の毛縛ってるけど長いし。」 「っ!」 彼は少し固まる。 「お、俺は男です!」 力強く叫ぶ。 「御免御免。でもさ...」 ライル王子は縛っていた リボン(?)を取った。 「こうすると女の子みたいだ。」  ドキンッ 目の前でリボン(?)にキスし、 格好良く笑うライル王子。 少し顔が赤くなってしまった。 「か、からかわないで下さい!」 素早くリボン(?)を奪い、 走っていく彼。 「か~わいい。いいの見っけた。」 ライル王子の口の端は 何故か歪んでいた。
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