†第一章 変態は唐突に†

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 城の中で国の事や 不穏な動きなどを 話したり相談したり 決め事を行う部屋、会議室。 そこでタリス国王子、 ライル・デュアリスはとても悩んだ顔をしていた。 「...ライル。」 「...えぇ、分かっています。ヘンリー王。」 ライルの実の父、 ヘンリー・デュアリスに言う。 「この城内に...スパイがいる...。」 「どうするのですか?ヘンリー王、ライル王子...」 ヨウィス・ハルミトン司教は 不安そうな顔で訊いてくる。 「うーん...身体検査...しましょうか。」 ライル王子は言った。 「身体検査だと?」 「えぇ。」  にっこり と笑うライル王子。 「怪しい奴なら、何かしら出てくる筈でしょ?」 「うーん...確かにその通りだが...」 ヘンリーは頬を  ぽりぽり と掻く。 「じゃあ、今日の夜7時から検査を行う。客間を一つ使って一人ずつ行う。」 「検査官は誰が?」 「俺自ら行おう。」 「ライル王子直々に!?」 ヨウィスは叫んだ。 「何か問題が?」 ライルは訊く。 「い、いいえ...。」 (王子...何か揉め事をおこさなければいいのだが...)
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