†第一章 変態は唐突に†

6/15

120人が本棚に入れています
本棚に追加
/320ページ
 「えいっ、てやっ!」 「くっ、はっ!」 エミルとゼロは剣を使っての 練習試合をしていた。 練習試合も兵士になるには重要な練習だ。 欠かせない修行の一つである。 「はっ!」  カキン とゼロの剣が弾かれる。 「あっ!」  チャキッ と剣を向けられるゼロ。 「勝負ありだな。」 「ちぇっ...相変わらず強いな...エミル。」 「俺なんてまだまだだよ。もっと強い人はたくさんいるし...」 エミルはゼロに片手を差し出す。 「ゼロだって...強いよ。」 「当ったり前だろ!」  ぱしっ とエミルの手を掴む。  ガラーンガラーン と城の鐘が鳴る。 「練習試合そこまでっ!集まれ!」 周りで練習試合をしていた 兵士見習い達が集まってくる。 「今日はここまで。これから全員身体検査を行う。」  えーっ? とか  身体検査ぁ? とか 皆それぞれ言っている。 (身体検査...!?) そんな中、エミル一人だけが 冷や汗をかき、青ざめていた。 「エミル?どうした?」 そんな異変に素早く気付いた ゼロが訊いてきた。 「え、な、何でも無いよ!ちょっと汗が冷えたのかも!」 「大丈夫かよ。...身体検査、これからだってさ。行こうぜ。」 「うん...」 (どうしよ...何でいきなり身体検査...?) 徐々に顔色が 悪くなっていくエミル。 だが、足は進むしかなかった。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加