描 苦 気 恋 集 ・ かきくけこ しゅう

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秋過ぎて、 四季を感じる、冷え込みに、吾れ黄昏て、悲しみの念… 俺1人、 自己満足に、ほくそ笑む、彼等の実体、正体見たり… こんなとこ、 来るンじゃなかった、甘過ぎた、何が覚悟の、受刑生活か… 懲役は、 最低レベルの、まだ下で、ホームレスのが、皆あたたかい… 想い乗せ、 我流歌集を、意のままに、師はおらずとも、文字は気ままに… 投稿の、 作品入賞、喜びも、ただ切なくて、まぐれ当たりか… 訓練の、 我が意を想い、綴り詩に、自分を重ね、俺も訓練… 父ちゃんと、 いつか呼ばれる、時を見て、再起を誓う、独居の格子… 教育の、 担当オヤジ、来いと言う、誘われるまま、文章教室… 鬼瓦、 名前の通り、ごつい顔、文章オヤジ、通り名の様… 職員も、 理解者がいた、見直すと、教育訓練… 部活動、 我等懲役、余暇時間、ムショが楽しく、なる可能性… 4人の子、 それぞれの道、違えども、私はいつか、父と言われたい… 寒いとて、 子等のが寒い、胸の中、いつか暖とり、家族団欒… この冬も、 去年の冬も、檻の中、違うはムショと、留置場… 年の瀬に、 想うは子等の、健康で、案ずる父は、格子の中で… バカな親、 自分を責めて、子を思い、かわいい我が子、何に例えん… 刑務所も、 シャバっ気みせてる、粋なマネ、紅白視聴と、おせち料理に… 年越しの、 カップ麺こそ、シャバの味、湯気と涙に、メガネも曇る… 水虫も、 すっかり完治、礼を言い、おかげで1人、安泰の日々… 独房で、 1人迎える、お正月、免業連休、壁に挨拶… ノート君、 いつも受け止め、ありがとう、返事なくとも、1番の友… 今頃は、 何を食べてる、子供達、ひもじき思い、してはせぬかと… 正月も、 ただ迎えたる、流し日々、怒る時あり、笑う時あり… 休日を、 免業日との、表現に、違和感消えた、今の生活… 集会も、 上級者のみ、参加して、吾れ最下級、楽しみなしか… 切り替えす、 時を忘れる、ムショの中、園児の慰問、恥ずかしき我れ… 恋しいと、 泣き叫ぶのみ、過去の時、今も変わらず、俺懲役で… 叫んでも、 声を殺して、ふとん中、思わず掴む、毛布に頭…
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