描 苦 気 恋 集 ・ かきくけこ しゅう

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ここまでは、 自然の流れ、これからも、成り行き任せ、それがいいかも… 拘置所は、 三重刑務所の、中にあり、このままムショに、ところ天かな… 判決の、 減刑実刑、10ケ月、合算量刑、2年と十月… 懲役と、 響きの悪さ、耳につき、格子の窓に、重たい風が… ただ無念、 あら島街の、受けた疑念が、追い風になり、無一文へと… 自然体、 この身に受けて、風任せ、いつまで続く、囚われの日よ… 貧しくも、 家族で行った、初キャンプ、子供等の顔、今や想い出… 覚悟して、 刑務所行くも、やせ我慢、不安が本音、未練ありあり… 責任と、 本心包む、鉄格子、寂しさ隠す、冗舌会話… 何の為、 ここまで墜ちた、我が命、捨てたハズでは、捨てられぬハズ… いよいよか、 未知なる世界、受刑者に、銀色眩しく、ムショ行き切符… 許さじと、 8つの眼差し、我れを差し、心さまよい、格子の中へ… 丸坊主、 白髪も目立つ、腰縄に、光る銀色、鬼神の如く… 護送され、 官衣に着替え、受刑者に、大粒落とし、不眠夜の吾れ… 通達の、 自然確定、受け止めて、なぜか礼言う、静閑独居…こんなハズ、 予定になかった、逮捕状、母の教えに、悪は栄えず… 祝賀会、飲めや歌えや、ドラゴンズ、シャバならオレも、狂気乱舞す… お日様に、 黒腹の罪、覗かれて、照れる光に、我れ裁かれる… 前刑の、 猶予の温情、捨てた俺、糊塗なる我れの、さらなる上塗り… ムショ先は、 未だ明かさず、聞かされず、赤ら顔して、染まる夕日か… 強がりと、 虚勢をみせて、意を隠し、不安が同居、笑う鉄格子… 遂に来た、 ムショへの移監、武者震い、我れ可笑しくも、自業自得よ… 割り切りて、 来たと思えよ、愚か者、誰も救わん、自分が罪に… 入所時の、 訓練という、行進に、俺の歩みも、足踏み状態… 時過ぎて、 先待つこの身、時遅く、今が始まり、出口は見えず… 次男坊、 君の思い出、激怒の父か、父の思い出、君なす全て… いみじくも、 紙に書くのは、子の名前、切なくつのる、考査の日々に…
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