描 苦 気 恋 集 ・ かきくけこ しゅう

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檻の中、 後悔すれば、これ淋し、子供も女も、逢いたや無念… 女より、 強く逢いたい、子供達、こんな俺でも、父親らしく… 担当を、 先住と呼ぶ、抵抗が、ある内はまだ、壊れてないか… 囚徒等に、 ご機嫌伺う、オヤジ殿、醜い姿は、懲役以下ぞ… 裏切りは、 どこの世界も、許されず、オヤジ相手じゃ、何ともならず… 担当に、 相談すれば、広がりて、噂たどれば、先は担当… ストレスを、 懲役ぶつけ、職員殿、懲役達は、仲間と争い… 矯正の、 名の影隠れ、不平等、オヤジが法律、ひれ伏す懲役… 自殺人、 握り潰すは、お手のもの、自己責任と、職員の責め… 隠し事、 オヤジが得意、口上手、バレればオハコの、大声威嚇… 懲役を、 仮釈懲罰、飴とムチ、使い分けての、懲役調教… 論争の、 相手変わらず、主代わり、やがて不明な、喧嘩に発展… 2工場、 教戒堂と、同一で、獄舎の壁は、ぐるりと巻いて… 改築の、 重機の音と、ミシン音、格子に響き、オヤジイライラ… お世辞でも、 誉められるほど、マジじゃない、どこを見てるか、それ依怙贔屓… 番号が、 名前となりて、はや流れ、並ぶ数字に、いつしか馴染む… 投稿に、 所内冊子の、匿名を、自分で明かす、彼自慢げに… 強制の、 投稿募集に、思案して、褒美の石鹸、それまた楽し… タマにはと、 誰か面会、来てくれと、来るハズもなく、知る人もなく… 運動を、 レクレーションと、名を変える、ここは刑務所、獄舎がにらむ… ただ走る、 ぐるぐる歩く、将棋指す、友と語らう、レク時間たり… 夢で会う、 子供は元気で、女泣き、俺はムショでの、1人暮らしよ… 担当の、 俺が法律、ごう慢さ、奴等も懲役、して見るがよい… 雨降りは、 濡れる瞼と、病む心、隠してくれる、情の天気… 雨上がり、 いつかは晴れる、今日のよに、いつかは出れる、まだまだ先に… 給料は、 あるとは言えず、名称を変え、作業賞与金、雀の涙… 階級を、 懲役に付け、色分けて、進級の餌、年功序列… 平等は、 ないと同じの、懲役に、階級制度、進級制度…
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