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「回収してきたぜ。ったく、なんで俺が……だいたいよぉ、今日に限って持ち物検査なんてやるか?」
「仕方ねぇだろ、あのバカ校長が……」』
今年のバレンタインは日曜日。しかし前倒しでイベントが行われると予想した校長は、今日、持ち物検査をすると言い出した。
「どうせ自分がもらえないからだろ?そんなこったろぅと思ったがな。クラスの女共、校長室爆破してやろうか、とか物騒なこと言ってたぜ」
「おいおい。しかしすげぇ量だな」
「そんだけ気合い入ってンだろ」
「お前宛てのもあんじゃねーのか?モテモテだからなぁ土方くんは」
「しっ知るかよ」
話が途切れ、しばしの沈黙。
用事が済んだはずの土方は退室せず、まだ部屋に留まっていた。
「あ、あのよぉ~」
遮るように銀八はポケットから煙草を取り出し、火を点ける。
「先生、ここ禁煙……」
「うっせ。俺の部屋!俺の勝手!ほら、用が済んだら行った行った!」
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