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寝ていたはずの銀八に呼び止められ、土方は焦る。
「これ、なぁに~?」
銀八の手には四角い箱。それは今しがた、立ち去る間際に土方が机の上に置いたもの。
「しっ、知らねぇよっ」
「ふ~ん、あっそ。じゃ……」
銀八は四角い箱を段ボールの中に放る。
「あっ……」
「ん?なぁに?」
「いや、別にっ」
銀八はいつものように煙草に火を点ける。
ひとふかしすると、ニヤリと笑い、さっき段ボールに放った箱を拾い上げ、開けはじめた。
「何して……」
「あ?糖分不足だからよ~。こんだけあんだ、一個ぐれぇ食ってもわからねぇだろ?あっうまそ~」
箱の中身は当然チョコレート。ハート型が綺麗に並べられていた。
煙草を揉み消し、銀八はひとつ口に入れ、幸せそうな顔をする。
「ん~うまっ、やっぱチョコうまっ」
「だらしねぇ顔……」
「なんか言ったか~?」
「言ってねぇっ」
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