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あっという間に箱の中身は無くなった。
「持ち主に…怒られるぞ?」
「あ?」
「つか生徒のもん勝手に」
「あ~そうね~でも……」
銀八は椅子から立ち上がり、土方に近付く。
隣に並ぶと、ポンと肩に手を置いた。
「あれ、俺ンだよね、土方くん?」
「な…っ!」
「だから怒られな~い。ごっそ~さん」
そういうと銀八は、白衣のポケットから一粒のアルファベットチョコを取り出し、土方の口に入れた。それから頭をワシャワシャと撫で、フンフンと鼻歌まじりに上機嫌で部屋を出て行った。
「あのヤロー…全部お見通しってか……」
一人残された土方は銀八の企みにようやく気が付き、真っ赤な顔でしゃがみ込んでいた。
部屋を出た銀八は屋上で空を眺めながら呟く。
「あ~ゆうとこ、可愛いんだよな~……」
~終~
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