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「ったく~。なぁんで俺があいつの為にケーキなんか作ってんだぁ。んなモン作ったら自分で食うっつの」
ブツブツと独り言で文句を言いながらも、銀時は手際よくケーキを完成に近付けていた。
白くふわふわとした生クリームを指ですくい、口に運ぶ。
「ん~。やっぱサイコー!」
上々の出来栄えに満足し、デコレーションを施す。
仕上げに真っ赤な苺を乗せ、それは売り物に劣らずの出来に仕上がった。
…それは一週間前。
桂と銀時は街を歩いていた。所々でバレンタインに浮かれた様子が伺える。
「銀時、そういえばお前、甘いものが好きだと言う割に自分では作らぬな」
「あ?何言ってんだヅラぁ。好きなモンは人から貰ってナンボだろうが。わかってねぇなぁ」
そんな、なんでもない会話だった。
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