Valentine's Day~銀時と桂の場合~

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カンカンカン… しばらくして階段を昇る足音が聞こえる。 「ごめんください」 足音が聞こえてソワソワしていたのに、わざとらしくのそのそと出て行き、待ち人を迎える。 「ったく、おせーんだよ」 「なっ!…支度も出来ぬうちに催促の電話などよこすからだろう。それになんだ、その言いようは。遅くなどないではないか。おかげで……」 「あ~うるせぇよ、ま、いいや、早く入れ」 「あ、おじゃましま~す」 銀時は桂がソファーに座るや否や、冷蔵庫からケーキの箱を取り出し、テーブルに置く。 「ん?なんだ?これ、もしかしてお前……」 「かかか勘違いすんなよ?俺が食べたいから作っただけだからね!違うからね!」 「そ、そうか……」 銀時から否定の言葉が出ても、現に今日はバレンタイン。好きな人に甘味を贈るイベント。ここは恋人の家。 そしてこの箱は明らかにケーキ。 桂は我慢しきれない程に顔が緩むのを感じた。
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