純白ノイローゼ。

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あっはっはっは。 苦しい。 めちゃくちゃにしろよ。 ヨダレと、かぶっていたキャップを飛ばしながら君は笑った。 目だけは爛々としていて、血走っていた。 走り去る君の手には包丁。 新宿、血だまり。 君が通ったあとに出来る赤。 まるで僕に君の居場所を教えるような、ナメクジのワルツ。 あいつは心が白すぎただけだ。 誰よりも純粋だった。 僕は奴を知っている。 そうさ。 本当にたった少し、人よりも純粋だっただけ。 もうめちゃくちゃじゃないか。 僕は奴を知っている。 赤を辿ってアリスのように、 僕は、君だ。
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