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「でもっ、真依は…産みたい…?」
「そう言ったら産んでいいの?」
…ほら、困るでしょ?
私の前に正座してる悠希が、叱られた子供みたいな顔をしてる。
怒ってるんじゃないよ。
「…正直な話、私も今産んで育ててく自信ないよ…。」
そう呟いて膝を抱えて顔を伏せた。
陽性反応を見て、悠希の子供なのに素直に喜べない自分が嫌だった。
堕ろす選択を、悠希に決めて欲しかった。
経済的にどうのじゃなく。
私に、親になる覚悟がこれっぽっちも無かった。
好きな人の子供なのにね。
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