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麻酔から目が醒めると、泣き出しそうな悠希の顔。
あぁ…、終わったのか…。
「…真依…ごめん、ごめんね…。」
握られた手が熱い。
まだボンヤリとする頭と痛む下腹部。
もう、居ないんだ。
嫌でも痛みで実感する。
―――さよなら。
小さく呟いた言葉は声にならない。
…空っぽに、なっちゃったんだ。
何とも言えない虚無感と喪失感。
悲しい、のかな。
ただ、隣で涙を堪えてる悠希が酷く可哀想に見えた。
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