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自分が滅多に言葉にして言わないからかな。 だって、言葉に出しても伝わらないときは伝わらないって知ってるし。 自分がどうしても言いたい、ってときにしか口にしないもんね。 不意に悠希のキスが降ってきて、私をくすぐりだす。 伝えるより、触れ合ってたほうが気持ちいい。 大きな手がゆっくりタオルを退かして、私の身体を這う。 過敏に反応する私を優しく見下ろす悠希の笑顔。 触れ合ってるときは必要とされてるって実感出来る。 でもリアルに触って欲しいって思うのは悠希に対してだけだからね。 好き。 声に出さずにそう呟いて目を閉じた。 .
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