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松永
「あ…貴方は?」
話し掛けてきた男は短髪で無精髭を生やしていた。
その男は腕を組みながら松永の稽古を見つめている。
「おいか?
おいは田中新兵衛っちゅうもんばい…
武市先生から話しは聞いとりもんそ?」
松永
「貴方が田中新兵衛さんですか…
よ…宜しく…」
田中
「まぁ…水くさい挨拶は、よか…
これから共に仕事ば、こなして行く仲間でごわすからな!!!」
松永
「あ…はい……」
田中
「じゃっど…
そげん事で根ば上げる様では…困るばい…
おいも稽古を手伝いもんそ!!!」
松永
「あ…ありがとう…」
二人は日も暮れるまで稽古に励んだ。
松永
「…ハァ…ハァ…ハァ…」
松永は庭に大の字になって寝そべっていた。
田中
「…良く耐えたな…
大したもんじゃなかか!!!ははは!!!」
松永
「で…でしょ?
ははは…
(もう…動けない… 汗)」
松永と田中は庭の縁側にて話しをした。
松永
「…田中さんは…
人を斬り殺した事はあるの?」
田中
「おいか?
おいは…ある…
おいどん達の同志ば次々に捕縛して行った憎き幕府の犬…
島田左近とゆう奴を、おいは…暗殺した…」
松永
「そうなんですか…」
田中
「おいは後悔はしとりもはん…
この日の本を異国から守る為に、おいは手を汚しもした…島田左近は幕府の犬…
その幕府は今や…
異国の犬と、なり下がり…
おいどん達が動かんば…イカン…
以蔵さぁも日の本の為に仕事をしなければいかん…
それは分かっとるでごわすか?」
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