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松永と田中は、その料亭の近くで、本間が出てくるのを待ち伏せする。
田中
「……そろそろ…
出てくるばい…」
松永
「…お…おう…」
松永は、やや緊張気味だった。
田中
「…何じゃ?
……恐いとか?」
田中は心配そうに松永に言う。
松永
「そ…そんなワケない…
恐くなんか……」
田中
「ならば、よかけど…
稽古した事ば思い出せ…相手は剣術も達者らしいからのう…
気ば抜くなよ…」
松永
「分かってます…」
そうこうしてると、料亭の中から酔っ払った本間が千鳥足で現れる。
田中
「出てきたばい…」
二人は本間に悟られぬ様に後を付ける。
本間
「…ヒック…
今宵は良い酒だったの~」
本間が歩く数メートル手前に二人の隠れる影…
段々と人通りも少なくなって来た。
田中
「…行くばい…」
松永
「…え…あ…
……はい……」
二人は刀を抜き、本間の後ろへ勢い良く近寄る。
その音に本間も気付いた。
本間
「だ…誰だ!!!」
田中
「…天誅じゃ…
覚悟しろ……」
松永も田中の横で、ぎこちない構えで殺気に満ちる。
本間
「……て…天誅!?
わ…私は攘夷派ぞ!!!!」
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