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土佐藩邸―
武市
「良く…
やってくれた…」
田中
「いやー…
まだまだですが
以蔵君も頑張っちょりもした…」
松永
「…………………」
武市
「そうか…
…以蔵
恐かった…がか?」
松永
「初めてなので…
少し…戸惑っただけです……
次は大丈夫です…」
田中
「…………………」
田中が心配そうに松永を見つめる。
武市
「…そうか
ならエェんじゃが…
これは…仕事の代金じゃ…
受け取ってくれ」
武市は懐から小判を出し、田中…松永それぞれの目の前に四両づつ置く。
田中
「こげなぁ…
貰って、よかとですか?」
武市
「それだけの仕事に値するき…
是非…貰って下され」
田中
「…ありがたか!!」
田中は四両を懐に入れる。
松永
(これが…
この時代の、お金か…)
松永は四両を手に取り、物珍しそうに眺める。
武市
「おまんには珍しい大金じゃろ!!!
遠慮せんと…貰いや!!」
松永
「は…はい!!」
松永も四両を懐に入れる。
武市
「その金で、呑みにでも行ったらエェ…
では…
また…仕事がある時は呼ぶき…
そん時は頼むぜよ。」
田中
「任せてたもせ…」
松永
「…はい」
武市は、その場を去る。
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