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第一章 初恋の人
俺が あいつと初めて会ったのは 5年前の夏。
そう…小学6年の夏。
6年の一学期の終わり
いよいよ明日から
夏休みだという日。
終業式を終え 教室に戻ると
そこに あいつは居た。
赤いTシャツに 短パン姿で
帽子を深々と被り
あいつは 俯き加減に立っていた。
担任の先生の紹介で
今日 転校して来たばかりだと言う。
二学期から この学校に通うのだと。
あいつは 帽子を取ると
深々と頭を下げ 元気に挨拶をした。
「よろしく
お願いします!!」
サラリとした黒髪を肩まで伸ばし にっこりと笑ったあいつは とても…とても可愛くて…。
俺は その時
初めて 恋をした。
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