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<第一章No.4>
『俺と一緒に
サッカーやらねぇ?
お前 素質あるよ。
…それに
俺 お前となら
上手くやれそうな気がするんだ。』
アパートの寝室で ベッドの上に寝転がり 知也は 光りの無い目で 天井を見ていた。
(あの時の あんたの目…
すごく輝いてて 眩しかった。
サッカーやってる時の
あんたは力強くて
本当 最高だった。
そんなあんたに惹かれて
あんただけを追いかけてきた。
…けど
今のあんたは
輝きを失っている。
濁った目をして
淋しげで…。
そんなあんたは…
見たくない…っ!)
フゥーッと疲れたように 大きな溜め息をついた知也を 隣で寝そべり 本を読んでいた 間宮 健一(まみや けんいち)は チラリと見て 本を閉じた。
「どうしたの?
学院で何かあった?」
知也はゴロリと横を向き 健一に背を向けた。
健一は フッと軽く息をつく。
「もしかして
サッカーやりたいの?」
健一の言葉に 知也はキツく閉じる。
「別に…。」
小さく呟いた知也を 健一はクスッと笑う。
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