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希望ヶ丘学院 校庭。第一運動場。
この運動場は 放課後 サッカー部の練習に使われていた。
集まって来た部員を見渡し 秋良は眉を寄せる。
「西崎(にしざき)先輩は
どうしたんだ?」
中等部の 西崎 信二(にしざき しんじ)の姿が見えず 秋良は同じ中等部の 北村 涼介(きたむら りょうすけ)に訪ねる。
涼介は 秋良を見もせず こう言った。
「西崎は
急用とかで
今日は来ないらしいよ。」
「今日は
夏の大会に向けての
合宿の件で話しをするので
必ず 部活に出るように言ってたはずだ。」
鋭く見つめる秋良に 涼介は チッと舌打ちする。
「俺に文句言われても 知らねーよっ。
西崎は
サッカー部やめるって言ってたし
本人に直接 話せばいいじゃねぇかっ。」
吐き捨てるように そう言った涼介に 秋良はグッと拳を握り締めた。
涼介は腕を組むと 秋良をチラリと見て 唇の端を上げた。
「俺が思うに…
原因は
お前なんじゃねぇ?」
涼介の言葉に 秋良はピクンと眉を上げた。
涼介は続けて言う。
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