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休むことを知らない太陽から惜しみなく熱が送られてくるこの時期、セミの声が減りこの季節も少しずつ終わりが近づいてきたのを感じる
今は八月のある日、まあ夏休みも残りが少なくなって来てそろそろ溜まった宿題を始めなきゃなヤバいって頃だ
俺は今幼なじみの美波と仲の良い友達の由紀、この三人でさっき言った宿題の消化中だ
あ、俺は祐也。学力、運動神経、容姿、何をとってもどこにでもいそうな中学三年だ。
それで斜め前に居る茶色っぽい長髪で宿題に苦戦してるのが美波。可愛いくて勉強はあれだが運動はできる。でもかなり怠け者なのが玉にきず。
で、黒色のショートにメガネで本を読んでるのが由紀。こっちも可愛いのだがいつも何か本を読んでいて余り喋らない。勉強はできるけど運動は苦手。
この二人は俺の自慢の友達だ。
俺と美波は幼なじみで、由紀は部活が同じで仲良くなった。今じゃ普通の男友達よりも仲が良いんじゃないかって位だ。
で、話を戻そう。俺たちが必死に宿題をやってるのは今夜あるお祭りに行くためなんだ。
「なあ由紀、宿題写させてくれよー。」
夏休み前半で宿題を終えていた由紀に写させてくれるよう頼むのだが
「ダメ。自分でやらないと意味がない」
これの繰り返しだ。今と同じ返事をもう何回聞いたことか……。
「祐ちゃーん、これ教えて~。」
「俺に訊くなよー。」
最初はもっとやる気があったけどだんだんグダグダして来て今じゃこの有り様だ。
「ん……。」
ちょっと前から由紀が時計を気にし始めた。お祭りまではまだ2時間位あるのだがそんなに楽しみなんだろうか。
「……時間がない。」
「ゆ~き~、そんなこと言われても全然分かんないんだも~ん。」
「仕方ない。」
由紀は読んでいた本に栞を挟み鞄からシャーペンを取り出して立ち上がった。
「美波は私が教えてあげる。」
「やったー!!」
由紀の一言に美波は両手を上げて喜んでいる。それを見て由紀も笑顔だ。良かったー……あれ、美波だけ?
「ちょっ!俺は!?」
「自力で頑張って。」
美波と俺に相対する一言を残し由紀は美波の横に座って教え始めた
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