アルバート・フィッシュ

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快楽殺人及びカニバル(食人)を語る際、 彼抜きでは それはなせないだろうと思われる 人物である。 * 彼は鑑定士ですら、 <真っ先に子供を預けたくなるような> 穏やかな容貌の持ち主であった。 彼の皮膚の下に煮えたぎる狂気を、 誰一人として 見破れる者は居なかったのだ。 1928年5月、 マンハッタンのチェルシー通りにある アパートの一つの扉を ある男が叩いた。 住人であるバッド家の家人が出てみると、 そこにはいかにも紳士然とした、 上品な服を着た 穏やかな笑みを浮かべた老人が立っていた 老人はフランク・ハワードと名乗り、 新聞に出ていた求職広告を見て やってきたのだと丁重に告げた。 求職広告を出した長男に老人は 「真面目に働くなら週15ドル出しても良い」 と言い、 貧しいバッド家の人々は 素直にそれを喜んだ。 翌々週再び訪ねてきた老人は、 またも上質なスーツに 手土産の高級なチーズを携え、 10才になるバッド家の娘グレースを、 コロンバス通り137番地にある 妹の邸で開かれる 盛大なバースデーパーティーに 連れていってやりたいのだがどうか、 という話を持ちかける。
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