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幼少時代から自立するまで
非常に陰惨で厳しい生活を
孤児として送ってきたフィッシュは、
自らに与えられた苦痛を
快感に変える術を身につけていた。
彼が編み出した自傷行為で
最も有名なのが、
自らの陰嚢に釘を打ち込む
(レントゲンの結果、太いのや細いの、腐食が進んだ物など計27本もの釘が発見された。)というのや、
アルコールを染み込ませた綿に
火を付け、直腸に差し込んで
身悶えるのなど様々だった。
また彼は鑑定士に、
「いついかなる時でも
子供を憎んだことはない」
と述べているが、
「400人を殺した」
とも自供している。
しかし後者に至っては証拠もなく誇張にしか取れないものの、
彼の性的暴行の被害にあった子供は、
100に収まるはずがないのは確かだった。
彼の弁護士は
「彼には如何なる罰も効をなさない。
何故なら彼は
どんな苦痛も快感に変えてしまうからだ」
とフィッシュの精神的欠如を主張したが
結果は死刑。
記者に囲まれたフィッシュは、
電気椅子送りについて
「最高のスリルだ。
今まで試したことのない――――
唯一最大のスリルだ」
と意気揚々と語り、
65歳という高齢ながら1936年、
電気椅子に座らされた。
彼は最後の食事を残さずたいらげ、
3000ボルトの電流でこの世を去った。
最後の言葉は、
「何故私は、
またこんな所にいるのかねぇ」
だったという。
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