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マリアは、都会で生まれて都会の街で育ち、生まれてこの方海をみたことがない。
その上、今は妊娠しているからまだ当分海は見られない。
そんな彼女に、僕が見たありのままの風景や、港の様子、僕の友達のことなど、手紙で伝えるのが、僕の日課だ。
そしていつか、僕の航海する船に、マリアと、僕の子供を乗せてあげることが、今の僕の夢だ。
――そういえば、マリアにプロポーズしたのも、手紙だったっけ。
そんな気恥ずかしいことも思い出しながら、僕はペンを走らせた。
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