夜の紋白蝶

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最上階は夜の街が一望できるラウンジだった。 私は店内を見渡して彼女を探した。 彼女は窓際の席に一人で座っていた。 私は近くの席に座ると彼女の様子を伺っていた。 そして彼女を追ってきたが、この先どうすればいいのだろうかと考えていると、不意に彼女が私の方を向いた。 一瞬目が合って私は急いで目線を逸らした。 すると彼女が 「知っていたわ」 と呟くように言った。 私は彼女を向き直った。彼女は更に 「あなた、私をつけていたんでしょ?」 と言った。 私はどうすればいいかわからずに黙っていた。 「答えて」 彼女はまっすぐ私を見つめて言った。その瞳には力があった。
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