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「じゃあ、柊谷さん、そこで練習して」
朱里は、手前から二つ目の射位を指差す。
そして、パンパンと手を叩くと、
「ほら、みんなも練習続けて」
と、声をかける。
射位に立ち練習をしていた部員達も、葵に気付くと思わず手を止めて魅入ってしまっていたのだ。
朱里の声に、慌てて練習を再開させようとするものの、葵が、執り弓の姿勢を取り射位に入って足踏みをすると、その厳かで流麗な動きにまた目を奪われてしまう。
葵は、そんな周りの視線を気にすることなく、一度大きく息を吸って、深く息を吐くと、一連の動作をして会(かい)に入った。
弓を引き切った状態で、狙いを定める。
周りの部員達は一同に動きを止めて、葵の立ち姿に注目していた。
遂に葵が矢を放ち、放たれた矢は目前の的へと飛んで行った。
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