1980年の夏

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「チェッ!」 タカシは舌打ちして、メンソールのタバコをもみ消し、立ち上がると、ポケットのドルクリップから千円札を2枚抜き出した。 「ごちそうさま!」 マキが声をかけるとニヤッと笑う。 「波、見てくっから!」 日に焼けた顔に白い歯・・・ 大きな波でワイプアウトした時、サーフボードとぶつかって折った鼻だって元に戻って鼻筋が通り男前だ。 お金があるときは気前もイイし、気もイイやつだと思う。 「タカシと上手く行ってるの?」 向かい側の席にすわっているマキが話しかけてくる。 マキは私の大学の同級生だ。
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