まぶたの裏は歪んだ世界

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しっかりとメイクを施され、 どこから見ても高校生カップルにしか見えない僕たちが向かったのは、ソウル市内の映画館。 交通手段は地下鉄だった。 混み合いをみせ身動きのとれなくなっている車内。 目の前にはユチョン。 普段なら心踊る状況なのだが、 いつも使う通学電車に僕は、いつ同級生と会うのかとヒヤヒヤしていた。 僕らの学校はテスト期間の為、その日は昼過ぎで大方の生徒は億劫な場所から抜け出せていたが 数人の生徒は部活のために学校に残っている。 しかも、時刻はすでに暗くなり始める頃で 部活終わりの生徒が帰る時間でもあった。 加えて帰宅ラッシュで多くの人たちが家路を急ぐ時間。 負の条件の重なりに不安になった僕はキュッと目の前のユチョンにしがみついた。 ユチョンの腕はしっかりと僕の腰に回って全ての物から僕を守ってくれる。 幾分、それに安心感をかんじ 久しぶりに触れる体にうっとりと瞳を閉じ胸に体を預けた。 後ろに回った手が悪戯に動き始めてもさして気にはならなかった。 .
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