ウチの人生 ～‥見ぬ未来を諦めないで‥～

２.

いつもなら微笑んで頷く。
微笑んで頷くんやけど、自分の中の何かが壊れ始めた。

恐ろしいほど笑い出す自分。
困らせると分かっているのに止まらない。

呆然とたちつくす母。

「肺がもたへんのにどうやって帰るん？｣

壊れたように笑いながら発するウチの言葉を聞いた母は、驚きの表情を見せて固まってる。

その驚きの表情は悲しみの表情へと変化していく。

ハッと我に返って、母の姿を見つめ顔を歪めるウチ。

「ごめっ、ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

ウチは何度も その言葉を繰り返す。

母は何も言わずに、悲しそうな表情を浮かべたままウチを抱き寄せた｡

抱きしめられた、その暖かさ。
感じる母のぬくもり…。

なぁ…
このぬくもりも感じられへんくなるん？

辛そうに震える母の腕を感じ、自分の辛さも一気にこみあげる。

堪えきれず、違う患者がいる前で問う。

「なぁ、ウチ死ぬん？」

こらえてた言葉を、聞かれへんかった言葉を、何度も必死に問いかけ続ける。

問いかけに答えない母に、何度も何度も責めるように。