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「なぁ、ウチ…まだ死にたくない…」
抱き締められた母の腕に強くしがみつき、訴える。
「まだこれからしたい事見つけて…将来大好きな人のお嫁さんになってっっ…」
力ない声で必死にそんな夢を言葉にする。
「まだ生きたいねん…」
母に言ったって仕方ないのに。
自分で分かってるくせに。
きっと周りにこんな事 言ったら馬鹿にされ 笑われるかもしれへん、たった一つのウチの夢。
“大好きな人のお嫁さん”
笑われたとしても、今のウチにとって ただそれだけが自分の大事な夢。
ただ、ただそれだけやのに。
何も答えられない母を見て、さすがに察した。
…やっぱウチ死ぬって事なんやな、。
そう思った瞬間、ウチは狂ったように叫び 暴れた。
周りの事なんか見えてへん。
精神状態も不安定になり、取り乱し、興奮状態になったウチは再びヒドイ発作に襲われた。
ただでさえ最近の発作は ものすごく苦しい発作ばかりだったのに、それを上回る…感じたことのない苦しさがウチに襲い掛かってきた。
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