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~回想~
放置されているテレビや配車となった車が無残にも不法投棄され悪臭が漂うその広場に金髪と碧い瞳をした高校生が一人とそれを取り囲むようにして十数人の学ランを着くずした不良たちがいた。
「今日こそ勝たせてもらうぞ!」
リーダーポジションに位置している中でも強面顔をしている不良が一歩前に踏み出した。
「こんな所に人を呼び出して…まだ懲りていなかったのか?オレも暇では無いんだがな」
金髪の少年は見るからにめんどくさそうにして頬を指で掻きながら苦笑した。
「っるせぇ!!負けっぱなしは性に合わないんだよ!!」
「全く…ひぃ…ふぅ…みぃ……20人ちょっとかぁ。よくここまで集められたな、グウ太郎」
「誰がグウ太郎だ!俺は空太郎だ!!」
「和泉さん落ち着いて、落ち着いて」
この不良の頭、和泉空太郎が怒声を張り上げその傍にいた手下が空太郎を宥めている。
「こんな時に餅なんかついてられるか!!」
空太郎は手下の胸ぐらを掴んで有無を言わせる前に頭突きをくらわせた。
「あまり手下を虐めんなよ、可哀想だろ。あと、ボケにもそれは無いと思うぞ?」
「あ゛あ?こいつ等が勝手に着いて来たんだ。どうしようが俺の勝手だ!!」
「ハハハ、そこまでハッキリ言い切ると逆に清々しいよなぁ。と言うか理不尽?」
空太郎がよって倒れた手下は他の者によって介抱されているがどうも打ち所が悪かったらしく鼻血を大量に流している。
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