真っ白な男

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      影山が求めるのを拒否することも出来ないまま、彼を慰めるようにその場でコトに及んだ。ベッドまで行くのすら億劫だったし、コンドームを付けるのも面倒だった。洗面台の縁に白い両手を付かせ、後ろから乱暴に突き上げてやれば影山は女のように喘いだ。汗ばんで額やうなじに張り付くくせっ毛をくしゃくしゃと撫でる度、お互いに興奮して肌を舐め合った。肉と肉がぶつかる音が生々しく、繋がった部分から粘着質な水音がうるさくて鼓膜まで犯されている気がした。今は何時だっただろうか、覚えていない。律動の最中に影山が買って来た肉を冷蔵庫に入れていなかったのを思い出して、2人愉快そうに微笑んだ。俺達はスーパーで売られている特売の298円の肉と何ら変わらないんだ。ただの蛋白質だと声を上げて笑った。     「ん、っ……むーちゃ、あっ、あ、あかんっ、も…無理、っ…」     バックの体勢で顔だけ振り返って、唾液に濡れた唇で早く早くと急かす。発情した猫のように強請るものだから、向井は彼が望むままに首筋に噛み付いてやった。強く強く歯を立てて少しだけ肉を裂いてやる。影山は一際高い声で鳴いて、同時に白い欲を呆気なくぶちまけた。搾るように収縮する内壁に向井も絶頂し、誘われるまま注ぎ込んだ。      
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