――第七章――

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なぜなら、シェーンの持っていたカードは、「5」と「3」だったからだ。 これはどういうことを意味するのか。 仮に、男がフォースセットで「5」を出し、シェーンが「3」を出したとしよう。 すると、このセットは男の勝ちとなるため、二人とも勝ち数は2となる。 しかし、フィフスセットでは、男が「4」、シェーンが「5」を出すことになるため、結果、3―2でシェーンが勝利する。 次に、フォースセットで男が「4」を出し、シェーンが「3」を出したとしよう。 すると、このセットはシェーンの負けになり、勝ち数は互いに2となる。 だが、次のセットは二人とも、残った「5」を出すしかない。 となると、勝ち数は二人とも2のままだから、本当ならばドローになる。 しかし、シェーンはゲームの前に、「勝ち数が同数の場合は、シェーンの勝ち」ということを男に約束させた。 それにより、これもシェーンの勝利となるのだ。 残りの2パターンでも、シェーンの勝ちかドローになる。 そう、男がカードを見せた時点で、シェーンの勝利は確定したのである。
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