――第九章――

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「まず、ファーストセットだ。 あのとき俺は、『3』を出した。 だが、あんたは『降り』を宣告し、カードを流した。 驚いたよ。 最初に降りるメリットなんてないと思ってたからな。 だが、考えてみれば簡単だった。 このゲームにおいて最も大切なのは、『A』を出すタイミング。 あんたはそれが不安だった。 だからこそ、『A』を最初に出し、流してしまうことによって、不安を解消しようとした。 さらに、『A』を流しておけば、その後のセットでも公開されることはないから、自分は『A』を持っていると見せかけることができるしな。 違うか…?」 シェーンは反論できなかった。 現にそうであったからだ。 「どうやら、そのようだな。 こうして、俺はファーストセットであんたが『A』を出したことを確信した。 次は、セカンドセットだ。 俺は、その時『2』を出し、流した。 サードセットでは、『4』を出し、流した。」 「『4』だと!? じゃあ、なぜフィフスセットの時に『4』があったんだ!!!」
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