――第二章――

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現れたのは、黒のシルクハットを被った、ハタチほどの男であった。 この場所は、入りくんだ道を通って来ねばならない。 そのため、偶然辿り着いたということはまずないのである。 男がやって来たことに、富豪たちは互いに顔を見合わせ、驚いた。 その中の一人が言う。 「ここに何の用がある?」 「お前に用はない。 用があるのは、あの女だ。」 男はそう言うと、奥の席でケーキを食べているシェーンを指差した。 シェーンも富豪同様、男に気付いていたはずなのだが、驚きもせず、ただ黙々とショートケーキを食べているシェーンを指差した。 シェーンも富豪同様、男に気付いていたはずなのだが、驚きもせず、ただ黙々とショートケーキを食べていた。 最後に残しておいたイチゴを食べ、シェーンは口を開いた。 「私に何の用? お金なら貸さないわよ。」 「勝負だ。」 予想外の男の答えに、シェーンは思わず「えっ?」と声を漏らした。 男は続けて言う。 「俺はあんたと勝負をしに来た。 勝負と言っても、ここのゲームのことだがな。」 「ゲームがしたいのね。 OK、いいわよ。」 シェーンは一瞬戸惑いこそしたが、ただのギャンブラーとなれば話は早い。 二人はゲームテーブルへと向かった…。
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