さつきまつ

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ぶちっと相手の意思を遮断する。 日曜の午後の喧騒に、私を巻き込むなと思う。 こんなに晴れやかな日に面倒くさいことはごめんだ。 かといって自分もこんな晴れやかな日にパソコンでマインスイーパーをやってるような代わり映えのない人間だが。 マンションの5階のベランダから眺める景色は、どこか危なげで、自分ではない何かが落ちてゆくような不思議な感覚になる。 居並ぶ建物の奥にみえる霞みがかった青い山がお化けのようにのそりと動いた気がした。 蓑虫は肩を竦めると、サンダルを乱暴に脱いで定位置に戻ろうとした。 「ん?」 先程リセットしたマインスイーパーが、ゲームクリアのにこにこマークをかざしている。 新記録の名前を打ち込む画面で、キーが点滅したまま、主が己の名を打つのを待っている。 「…ん?」 家主は今度は覗き込むように鼻先を液晶画面に近付けた。
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