憧れは不幸を隠す

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(なんでこんなことに……) 入学式も終わり、帰りの電車で…紫乃は困惑の表情を浮かべていた。 後ろにいるおじさんが、近すぎるのだ。 (満員電車じゃあないのに……痴漢かなぁ) まわりも、見えていないかのように紫乃とおじさんを無視。 いや……気のせいかも。近いって感じるだけで、実は近くない!って思っとこうかな。 と考え、チラッと後ろを見ると…… いやいやいや!!近い近い!!むしろ思ってたより近すぎて、冷や汗がっ!! 心臓のあたりに手を添えて深呼吸を繰り返す紫乃。 それでもやはりおじさんは紫乃の後ろにピタッとついていた。 すると、フワッと優しい香りが紫乃の鼻をくすぐった。 ―
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