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家に帰ると、奏詩がソファーに座って詩を書き連ねていた。
奏詩の仕事は作詞家で、最近よく売れている。
書き上げる歌詞は、今の作詞家に珍しく恋愛系は一切書かず、応援系や考えさせるものをよく書き、そこが今はやりの理由らしい。
紫乃はいつもふざけている父も好きだが、仕事をしているときの父が一番好きだったりする。
イヤホンをつけて音楽を聴いているのか、紫乃が部屋に入っても気づいていない。
お昼につかったであろうお皿がテーブルの上にあり、どれだけ父が集中しているかがわかる。
(またろくに休憩もしないまま仕事しているんだろうな)
そっとキッチンに行き、父の好きなダージリンティーをコップに入れ、父に持って行く。
後ろに立っても全然気がついていない。
(泥棒とか大丈夫なのかな…)
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