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次の日、待ちに待ったサークル体験週間になった。
紫乃はあるサークルに入るためにこの大学に来ていた。
時間になり、迷うことなく活動教室に向かうのだが…
近くなればなるほど、女の人の奇声が大きくなってくる。
(ん…?うるさいのなんで?)
それは角を曲がり扉の前が見えるようになってわかった。
いわゆるファンがでまちをしているのだ。
(うぅ…。中に入りたいけど怖いよぅ。)
すると自分の後ろに気配を感じた。振り向こうとした前に、女の人たちが自分の後ろの人に向けて一際大きな奇声(歓声)をあげる。
それに恐怖を感じた紫乃はビクッと震える。
?「はーい。今から大事な会議があるから静かにして僕を通してねー」
紫乃の両肩に手が添えられ、どんどん扉に向かって押されていく。
周りの女の子たちは道を空けるものの、紫乃に対してきつい視線を送る。
だが後ろの人に押されているので逃げていくこともできず、なりゆきに任せることにした。
…が。
目の前に扉があるのに押す力は弱まってくれない、紫乃は…そのまま扉に額を思い切りぶつけた。
思わず座り込んで頭を抱え込む紫乃。しんと静まる廊下。
痛みに悶えていると、ひょいっと抱き上げられて、器用に片腕で扉を開け中に連れ込まれていった。
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