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「すまん、すまん。甥っ子に会えて嬉しくてな。つい…」
「つい、じゃ無いですよもう…。
でも、迎えありがとうございます。しばらくの間、よろしくお願いします」
この人は俺の母方の姉弟で、俺が当分世話になる大家さんだ。
「まっ、よろしくな。とはいっても、おれは仕事が忙しくてなかなか家に帰れないから、ほとんど一人暮らしだがな」
「別に良いですよ。というか、タダで住まわせてくれるだけ、ありがたいですよ」
「そうか、それならいいんだが…。まっ、早く家に帰るか。さすがに冷えるだろ?」
「確かに、少し冷えますね」
もう4月なのにも関わらず、俺が吐く息は白く手は赤く色づくほどだ。
それを見た伯父はニカッと笑うと駅の出口方面に歩きだした。俺は急いで伯父の後について行った。
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