第二の衝撃

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お腹を切らないのだから、 楽だろうな、なんて考えてたが、 大変だった。 当時、私の体重は、85㌔あった。 肥満体だったから、術後の血栓を心配した先生が、 かなり慎重に経過を観察された。 酸素吸入され、左腕に点滴、自動血圧測定が、右腕で、 それが、定期的に測定される。 足には、ポンプがつけられ、加圧、減圧、加圧、減圧が繰り返しされて足を動かすことができず、麻酔が切れたあとも私は、身動きできずにいた。 夜中もそれは途切れることなく 眠ることもできず、 でも起きることもできず ただ機械の中で じぃっとしているしかなかった。 足のポンプが外されたのは、 次の日の 朝。 同時に自動血圧測定も外され、 やれやれ と思ったが まだ背中には、痛み止めの点滴が入っていて、 それを肩から前にぶら下げている。 そして 何よりいやなのは、 尿の袋をぶら下げて 歩かなくてはならないこと。 仕方がない。 私は、ポチ と名付けて、 連れて歩いた。 手術してから、四日目の昼すぎ、 ようやく ポチは、私から離れてくれた。
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