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「また、喉に悪いってわかってて吸ってる?ん?」
俺の吸いかけのタバコを無理矢理取り上げて、灰皿へ押しつける。
心配してくれるのはうれしいけど…たまに、ウザくもある。
「俺の行動の邪魔すんなよ」
「邪魔ですか?それじゃ、今後は無言で睨みますよ」
「止めて、そっちのが怖い」
「聞き分けのいい魅樹は好きです」
「はい、はい」
「はい、は1度です」
「はーい」
まったく…、どっちが年上なのか分からない…
情事の後の『それ』をティッシュに手早く包み、磨久はとっととシャワーに向かった。
「魅樹も入りますか?」
なんて、不適な笑みで言ったので俺は、さっさと行けと手を払った。
同じVocalグループのメンバーで、今では俺の恋人の磨久。
ただ…俺にはもう一人恋人が…
ベッドの中で、だるい腰をゆっくり動かしながら、携帯を鞄から取り出した。
メールが1件。
『外出すんのはいいけどさ、俺が居ない間に行くのって、ずるくない?』
相手はやはり同じグループの同じ歳の紫唖。
やきもちねぇ…紫唖らしい。
『悪かったよ。最近紫唖忙しそうだから、声かけなかった。淋しい?』
返信すると、直ぐ様戻ってくる返事。
『淋しいわけないだろ!魅樹の馬鹿!!』
やっぱし、淋しいんじゃん。
帰ったら、相手してやるか…でも、腰もつかな、俺…
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