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それぞれの一太刀目を俊孝は上手に避けて間合いに入り、急所を夕焼で突いた。 賊達は途端に気絶して、その場に倒れた。 義経が感心したように笑う。 「見事」 「…ふん」 別に嬉しくない。 俊孝は緒を結び直して、夕焼を左腰に下げる。 「…別に加勢などしなくとも良かったものを」 「そうか、自分でどうにかできたか。でも、さっきも言ったであろう?人の情けは、素直に受け取っておく方が得だと」 「そうかもしれないが…。…あの時、狼に木片を投げたのも、お前だったのか?」 「ああ」 「……」 借りをこんな奴に、仇敵に作ってしまった…。 最悪だ。 俊孝は頭を抱えたくなった。 「そなたがこんな所にいるということは、光風がこちらに来ているのか?」 「…ああ。今も、お前の屋敷で待っているんじゃないのか」 「そうか。それならば早く帰らねばな。一緒に来い。きっと光風もそなたのことを待っている」 「……」 そう言われると、頷くしかない。 と、義経が俊孝の顔をじっと見てきた。 「…何だよ」 「…ああ、そうか。そなたが似ていたのか」 「っ!?…それはどういう意味だ」
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