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しおり(音直)
「あのー…音無さん?本が読みにくいのですが…」
「悪い、なら離れるわ…」
「あぁぁ!だっ大丈夫ですから、お、落ち込まないで下さい!!」
「そうか?」
「はい!」
現在、何故か直井は音無に捕獲されていた
音無の足の上に座らされて逃げられないようにしっかりと抱き締められている状況
もちろん、本を読んでいる直井にとっては実に不便な状況
「…直井、何か良い匂いすんな……うーん…オレンジ?」
「え!?いや、あの、そ、その通りなんですが…わ、解りやすいですか?」
「あぁ」
「そ、そうですか…」
先程から直井の読んでいる本は全くページが変わっていない
それに音無の視線が止まる
「読まないのか?」
「うーん…」
「読まないならさ、コレ、やるから…珈琲買いに行こうぜ、暇で仕方無いから、さ」
音無は鉄とガラスで出来たステンドグラス風のしおりを直井に手渡すと苦笑する
当の直井は目を輝かせて受け取っている
「あ、ありがとうございます!宝物にします!」
「大袈裟だなぁ」
直井がしおりを大切そうに本に挟み、立ち上がると音無も立ち上がっては先を歩いた
(一応…たまにはプレゼントしてみるのも良いな)
直井に気付かれないように音無はクスリと笑った
―7/1は直井の日だしな―
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