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「やれるもんならやってみろよ…どうせ言葉だけの臆病オヤジがっ!」
私は吐き捨てるように言うと、ダルそうにカバンを後ろに持って学校を後にした。
「ただいま~」
と、呼んだところで誰も答えてくれる人はいない…
「おかえり…」
と、思ったら…いた。
返事したのは親父だった。
「なんだ…帰っていたの?」
リビングのソファーに座る親父に私は、めんどくさそうに聞く。
すると親父は読んでいた新聞から視線を私に向けて呆れる。
「なんだ…その格好は…みっともない…それが勉強しに行く姿か…」
赤色に染めた髪と、化粧した顔を見て、怪訝な表情を浮かべる親父。
「勉強?勉強なんてしてないよ。ずっと寝てるだけ…」
私は鼻で笑う。
すると親父はカチンときたのか、私に近寄ってくると、バチン!と平手打ちをしてくる。
「なら辞めてしまえ!高校だってタダじゃないんだ!自分で生きていけるものなら生きていってみろ!」
その言葉にニャ~と笑う私…
「面白いね…そうするよ。どうせアンタには私なんて出来損ない必要無いんだろうしね!」
ぶたれて赤くなった頬を押さえながら笑うと、親父は少しだけ、ピクッと右の眉をつり上げた。
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