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俺は静かに覚醒した。
日は既に昇っていて、窓から容赦なく網膜を焼くように日射が差し込んでいる。
まぶしいより痛い。たまらない。だから俺は逃げるように起き上がった。
寝間着を着替え、制服を着る。俺の寝癖は中々に壮絶だ。だから放っておく。面倒は億劫だ。朝なら尚更だった。
階段を降り、リビングに到着する。誰もいない。あらかじめ知っていたとはいえ、再度認識する。今のこの家には俺しかいないのだ。
なにやっても自由。言わばフリーダム。しかし、その名を冠するモビルスーツは些か度を超えたフリーダムさだった。あれはもうスーパーロボットの域だろうと、まったく関係のない、意味のないこと考えてみた。
ともあれ兄さんはもう出掛けたようだ。テーブルに置かれた冷めた朝食がその証明である。今日もまた朝早くから仕事らしい。まったく、ご苦労様なことだ。
そして俺は用意された朝食を隣の犬に喰わせると家を旅立った。
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